フリーコースターハブには遊びというものが存在します。
遊びというのはペダルを踏んでからホイールが回り始めるまでの間のこと。
これがあるおかげで、ホイールを後ろに回した時にクランクが回らないのです。
遊びの量は、ハブの中身を分解する事で調節ができます。
遊び(スラックとも言う。)
フリーコースターの中身
この赤矢印の間にスペーサーを入れたり抜いたりする事で遊びの量を変えることが出来ます。(スペーサーを増やすと遊びが少なくなり、減らすと遊びが増えます。)
今回はこの遊びの量はどれくらいがベスト?
という疑問について考えてみます!
まず結論から言うと
やりたいトリックとライディングスタイルによって変わる!
なんですけど、
とりあえず、
遊びの量が多いとどうなるのか?
少ないとどうなるのか?
メリットとデメリットを比較してみます。
遊びの量が多い
・メリット
フェイキーしている時に、ペダルを前に漕いでしまっても、引っかかりづらくなるので安心。
・デメリット
遊びの多さに慣れるまで時間がかかりやすい。
遊びが少ない
・メリット
フェイキー中にペダル踏み込んで、わざと引っ掛けて次のトリックに繋げることが可能。
・デメリット
フェイキーの時に引っかかってしまう確率が上がる。
とまあこんな感じで、どっちもどっちっていう感じなんですよね笑
冒頭で話した結論の通り、やりたいトリックとライディングスタイルによって変わるという事なんですけど、これについて解説していきます!
フルキャブ
フルキャブとはフェイキーから360度回るトリックの事ですが、フリーコースターの場合にはやり方が2つ存在します。
いわゆる掛けて回るタイプと、掛けないで回るタイプです。
掛けて回るタイプの代表格は、やっぱりKarl Poynterですね!
1:43秒のところや、3:03秒なんてかなりペダルを踏みこんで回ってますよね。
遊びが少ないので、所々フェイキー中に足が回っちゃってるのも確認できると思います。
3:10秒のアイスピックグラインドからの180のところとか。
このやり方のデメリットは、若干フリーコースターの寿命が縮まる事です。
後ろ向きに回ってるホイールを無理やり止める感じになるので。
ですがすぐ壊れるわけでなく、長い目で見て寿命が縮まるってぐらいかと思われます。
一方、掛けないで回るタイプは、ストリートでフリーコースターがドバッと広まったタイミングでみんながやり始めた。と俺は認識しています。
How Toもあります。
この掛けないで回るタイプはフェイキーの勢いを殺すことなく回るので、見た目にもスピード感があります。
でも結構難しいです笑
正面向きで180度以上回る事が出来ないとちょっと難しいと思います。
俺はどっちのやり方でもカッコいいと思ってるんで、両方アリなんですよね~。
引っかかったらまずいシチュエーション
元祖フリーコースターライダーにBruce Chrismanというライダーがいるんですけど、例えばこの動画。
この高いステアで、180してからのフェイキーバニーホップ。
これで、もし180した後に少しペダルを踏みこんでしまって、クランクが後ろ向きに回り始めたらどうなるか?
想像したくもありません笑
こんな高いステアをフェイキーで飛びたいとは俺も思いませんけど、これがいわゆる引っかかったらまずいシチュエーションの例です笑
遊びが少ない状態で少し遊びを増やす小技。
例えばこのChad Kerleyの動画。
30秒のところ。セクションに入る前の足の動きをよく見てると、前に漕いでからバニーホップをする直前に足を後ろ方向に半回転くらい回しているのが分かると思います。
360バースピンでフェイキーに入った後に、クランクが回ってしまうと次のトリックに繋げる事が出来ないので。
いわゆる一般的なフリーコースターハブの構造上、
クランクを後ろ向きに回して停めた状態が最大幅の遊びになります。
Chadも遊びが割と少なめなので、フェイキー中に足が回ってる場面をよく見かけます。(特にテールウィップしてフェイキーする時とか。)
基本的には遊びが多めのライダーのほうが沢山いるとは思いますが、やりたいトリックやスタイルによって変えるのも面白いです。
いちいち分解して中のスペーサーを入れたり出したりして調節はめんどくさいですが、新たなトリックが出来るかもしれない。
そう考えたら色々と試す価値はあると思います!